2012年4月12日木曜日

占いについて私の思うこと


2002/09/14


1998/04/01

 占いやってると、相性を見てくれという話がよくきます。

 たしかに占いで相性を見ることは可能なんですが、占いをする側にとっての相性と、聞きたい側にとっての相性が食い違っていることがよくあります。

 東洋系の占いで相性といえば、通常はAさんがBさんにとって吉の作用をもたらす人かどうかという話になるわけで、合婚法という開運法は正にこれを追求するものです。つまり配偶者という自分に最も身近な人間に、自分にとって吉の作用をもたらす人を配置することで、開運しようというわけです。

 この場合、お互いに好意を抱きやすいかどうかは二の次、三の次となってしまいますから、どうみても好きになれないタイプが自分にとって吉をもたらす人であったりします。

 おそらくは、占いの中身には無縁な人にとっての相性といえば、相手にとって自分は好意を抱きやすい人間なのかどうか?というところでしょうし、もっと具体的に誰々さんを好きになったが、相手はどう思ってくれているだろうか?というようなこともママあるように思います。

 ところが、この二つは占いは占う側にとっては、まるで違う占いをすることになってしまうのです。

 相手が自分に対して好意を抱きやすいかどうか、については、お互いの生年月日時を使う、子平や紫微で占いをすることになるでしょうが、誰々さんが今、自分をどう思っているだろう?恋としてうまく行くのだろうか?ということになると、これは個々の事象に対しての占いということになり、易とか六壬の出番ということになってしまいます。

 占いをする側にとってやっかいなのは、もう相手を口説くことを決心しているのに、景気付けに占ってもらおうという人です。そういう場合、占っていい結果が出ればいいのですが、そうでないと怒ってしまいますから。

 やると決めたことについては、占いでハズミをつけようなんて考える前に、全力を投入することです。うまく行かなかったら占いのせいにしようなんて、後ろ向きの発想じゃ、口説いても迫力がないと思いますね。


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1998/05/06 1999/05/02訂正

 最近(といってもピークは過ぎましたかね?)風水という言葉が大流行ですが、私は風水と称して出版されている本の多くにはかなり違和感を持ってます。

 風水は本来的には地勢の動きをあらわす山龍と水の流れをあらわす水龍、人・物の動きをあらわす道龍の3者から、地理の吉凶を判断する術です。

 そして風水の術の中で最も重要なのは、龍の持つ気(と、とりあえずよびます)が吹き出す口である龍穴を見つけ出す技法であり、その龍穴に墓を作り、人を埋葬する日取り、手順を決める技法なわけです。

 もっとも、この死者の住まいである「陰宅」を作るための術は火葬が一般的な日本では役に立ちません。

 たしかに風水の技法には生者の住まいである「陽宅」の吉凶を見、それを改善するものもあって、それが重要でないとはいいませんが、それとて、自分を包み込む静的な空間の吉凶を論じるのが風水であるわけです。

 だから相当の違和感はありますが、気学家相を風水と称することは何とか許容しますが、気学家相で九星的概念を使うからといって、九星による旅行の方位の吉凶判断を風水とよぶことは、論外というものです。

 旅行・転居は自らが移動する動であって静の風水とは全く異なるものなわけです。

 この動の方位の吉凶を論じる術には方位術とでもよぶべきものです。方位術と風水は区別しましょうよ。

 ちゃんとした風水について知りたい方は黒門の中国占術の部屋とか震の堪輿研究室に行ってみて下さい。


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1998/05/21

 生年月日(時)から、個人の特性や巡ってくる運勢を占う術を「命」の術と呼んでいます。

 この命は天命なんかの命というところでしょうね。儒学の祖の孔子は、

吾十有五而志于學。
三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而順耳。
七十而從心所欲、不踰矩。

私は15歳で学問の道を志した。
30歳で自立を果たし、40歳で惑うことがなくなり、50歳で天命を知った。60歳になると、何を聞いても気分を害することがなくなった。
70歳になって、心の趣くままに行動しても規範を踏み外すことがなくなった。

と自分の人生について語っていますが、かの孔子でさえ自分の天命を知るのに50年かかっているわけです。(学問を志した15を引いても35年かかっています。)

 命の占いは、この50年をショートカットするためにあるわけです。

 で、まあ「占いで性格が当たった、大したもんだ。」とかいう話をよく聞きますが、性格なんてアテズッポでいっても結構当たってしまうものです。

 客が「いやそんなことはない。」といっても、自信を持って、「いや、アナタが気付いていないだけだ。」とでもいっておけば良いのですから。

 だから、性格なんてどんなヘボでも無理矢理当てることができるのです。

 命の占いはやっぱり、過去の運勢をちゃんと説明できることができて一人前でしょうね。


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1998/08/07

 北斗の拳というマンガが昔、少年ジャンプに連載されていた。このマンガは途中からあらわになってきたが、かなり占いや呪術の知識が盛り込んである作品であった。現在、文庫本で再刊されているので読み返すときには、こんな話もあるということで参考にはなるだろう。

 マンガは北斗神拳は暗殺拳という設定で始まっていたが、実はここにも呪術の知識が仕込まれている。元々、北斗七星の柄の部分の3星は死の使いとされていて、この3星を供養することで寿命を延ばそうとする"星供養"があったのだが、時代が下がると北斗七星全体が死の使いとされるようになる。北斗神拳が暗殺拳であるのは、このあたりを踏まえているのだろう。

 マンガに占いの知識が仕込まれているのがはっきりしたのは、南斗を助ける五車の星が出現したところであった。南斗も五車も西川算命の用語だそうで(このあたりの知識は我が畏友、大石真行による)四柱推命の用語におきなおすと、食神(南斗)を劫財(五車)が生じるということになる。

 また天帝の近衛である元斗皇拳の伝承者が紫のオーラをまとうということになっているが、これは天帝である北極星(異論のある向きもおられるであろうが)のあるあたりは微垣と呼ばれていることに対応していると考えられる。

 この紫微垣という名前を引き継ぐ"紫微斗数"という名前の術もある。この紫微斗数は生時がわからないと占えないという特徴(欠陥といいいたければいえばよいだろう。しかし、私は生時不明で三柱で四柱推命をやるというのも無茶だと思う。)があり、計算が少し面倒であるが、計算が終われば素人でもそれなりの占いのできる優れた術である。

 なお、これは占いそのものとは無関係であるが、北斗神拳の創始伝説と中国渡りの占いの門派が自称する自派の創始伝説は、構造が似ていることを指摘しておこう。

 中国渡りの占いの門派というのは、張明澄(耀文)師が日本に伝えた透派のことであるが、この門派の創始者は女性ということになっていて、創始者の女性は門派の秘伝書を残して自殺しており、その秘伝書を受け継いだのは創始者の女性の妹夫婦の子供ということになっている。なお妹は幼いときに誘拐されて、実の父を仇と信じ込まされて姉である透派創始者と戦って破れたが、姉の婚約者を籠絡したという過去を持っている。

 つまり透派創始伝説は、姉妹の対立−姉の慈悲−妹の子供への伝承、という構造を持っているのだが、北斗神拳の創始伝説においては、姉妹それぞれの子供への試し−妹の裏工作−姉の許し−妹の子供への伝承という形で話が展開されており、構造的によく似ていると考えられる。


人生はマーク·トウェイン何が起こるかである

 ただし私の推測が正しくて、北斗の拳の原作者が透派創始伝説をヒントに北斗神拳の創始伝説を作ったのだとしても、盗作と非難するつもりは全くない。似ているのは話の構造であって、細部を含めればオリジナルといって全く差し支えない水準で話が作られているのは間違いないところだ。


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1999/08/21

数秘術の技法に単数化というものがある。
これは、何らかの操作−通常は関連する数値の総和を求めることが多いが−を行って得られた数値が10を越えている場合に、各桁の数値を全て足し合わせて、その結果がまた10を越えていたら各桁の数値を足し合わせるという操作を繰り返すことで最終的に1〜9の値を得る方法である。

実はこの操作は数学的には元々の数値を9で割ったときの剰余を求めることとほとんど変わらない。割り切れた場合は0でなく9とすることにすれば、全く同じ操作になる。

これは、10進n+1桁の数Ann-1n-2…A10から各桁の数の総和An+An-1+An-2+…+A1+A0を引いてみればわかる。

nnn
Σi*10iΣiΣi*(10i-1)
i=0i=0i=0

10i-1は9の倍数である。そのため結果として元の数から各桁の総和を引いた数は9の倍数なのである。

ここで上式の両辺を9で割った余りを求めると右辺は0となる。
故に元の数を9で割った余りと、各桁の総和を9で割った余りは等しいことがわかる。

ここから各桁の総和の各桁の総和を9で割った余りと、元の数を9で割った余りも等しいことが判る。
結果として単数化で得られる値は、元の数を9で割った余り(0の場合は9というか単数化の世界では9と0は同値である)に等しい。

この考え方は10進数だけに留まらず一般のn進数でも成立し、n進数世界での単数化とは元の数をn-1で割った余りを求めることで、また0とn-1は同値であるということになる。

ここで2進数の世界に目を向けてみると面白いことがわかる。2進数の世界での単数化とはある数を1で割った余りを求めることであり0と1は同値である、ということになる。1で割り切れない数は無いので2進数世界ではいかなる数も単数化すると1となることになる。

これは2進数世界には数による吉凶など無いということに等しい。
つまり2進数で動作するCPUやメモリには吉凶など無縁のことなのだ。

3進数世界で始めて単数化の結果として2種類の数、1と2が出現する。おそらくどちらかが吉でどちらかが凶となるであろう。従って3進数で動作する計算機を作成するためには、単数化の結果が吉となるように調整するための桁(tritとでも呼んでおくことにしよう)が必要となるにちがいない。

3進数の計算機はシャノンの定理から非常に効率が良いことが予想されるが−高速のスイッチング素子ができたとしての話だが−動作の安定化を図るために余分なtritを付加するアイデアについては、ここにおいて私の優先権を主張するものである(笑)


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1999/12/19

 多摩御陵遥拝にくる右翼諸君に告げる。

 諸君が御稜威の長久なることを願う真の右翼なら、遥拝後、多摩御陵の側を流れる川の掃除をしてから帰りなさい。

 川の水質はそこそこだが、度重なる砂防工事の関係で流れが淀んで藻が大量に発生している。これは風水上、財運と子孫繁栄にとって凶である。今からでも遅くはない。川を綺麗にすることだ。

 次に、中央自動車道の付け替え運動を始めなさい。
 中央自動車道は多摩御陵付近で急な湾曲をしており、この湾曲から発生する鎌刀殺が御陵を狙っている。

 多摩御陵自体の風水の基本設計は非常によくできているにも関わらず、その後の川の砂防工事、中央自動車道の設計はまるで多摩御陵の風水を破壊することを目的にしたかの感がある。右翼を自認する者であるならば、かかる御稜威に刃向かうかのごとき不逞の存在を看過してはならない。

参考図書

大石真行監修、森冬生、「驚異の一致!風水が予言していた大事件・大事故」
竹書房文庫 1999/12/22 初版 ISBN4-8124-0576-9


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2000/01/28

 拝啓、室山まゆみ様。多年にわたる「あさりちゃん」の連載を始めとして益々御清栄のこととおよろこび申し上げます。

 このような唐突なお手紙をお送りするのは、室山様が還暦について勘違いされているようですので、説明させて頂いたほうがよいと決心したためです。

 還暦と申しますのは、年々の干支が61年目に元にもどることから、数えの61歳(満の60歳)を人生の一つの区切りとする御祝い事です。
 干支の干とは、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸の十干、支は、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の十二支です。この干と支を組み合わせて、甲子、乙丑というふうに並べていくと10と12の最小公倍数は60ですので60組の干支ができます。

 従いまして自分が生まれた年を含めて61年目には、生まれた年と同じ干支の年がきます。これを暦が還ってくる、つまり還暦とよんだわけです

 ですので「あさりちゃん」の単行本の60巻では干支はまだ尽きておらず、60巻を還暦とは呼べないのです。単行本は数え歳と同じく1巻から始まっていますから、還暦に相当するのは61巻なのです。御理解頂けましたでしょうか。私が「あさりちゃん」の単行本の60巻を読んだときには61巻がすでに出た後でしたので、遅きに失してしまいましたが、占業が生業の一部をなしていることもあって、非礼を省みず筆をとった次第です。

 室山様がさらなる御発展を遂げられますよう御祈り申し上げます。

敬具


本当はメールか手紙にするべきなのでしょうが、もったいないのでネタにさせていただきました。
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2000/02/03

 東洋系の占い師にとって暦は重要なものです。暦と一口でいってしまいましたが、東洋系の占い師は多種多様な暦を使用します。ざっと見ただけでも、

  • 干支暦
  • 遁甲暦もしくは九星暦
  • 太陰太陽暦

 の3つは必須といっていいでしょう。

 一般に市販されている暦、神宮館の暦などですが、にもこの3つは必ず書かれています。神宮館の暦ではこの3つの他に、十二直、二十八宿などが書かれています。

 暦の中でも干支暦は非常に重要です。奇門遁甲の局数や日の九星を算出するのに干支暦が必要となるのです。大石真行さんのようなちゃんととした占い師は干支暦のおよそを数10年にわたって暗記していて、暦をくることなく目の前で生年月日時を干支におきなおすという技を見せてくれます。

 最近やっと私も、ここ数ヶ月の甲の日は記憶するようになりましたが、まだまだですね。道は遠いです。

 なお干支暦を有効に活用する、あるいは干支暦から遁甲暦や九星暦を作成するためには若干の天文学の知識が必要となります。


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2000/09/04

安倍晴明がブームですが、晴明と同じく「六壬(りくじん)」という占術を表芸にしている人間としては何か浅薄なものを感じてしまいます。

巷間に晴明の名を冠した本があふれています。でもその中で「六壬」という占術にふれている本は少数派なんですよね。これだけ晴明本が多数出版されているのに、晴明が六壬を得意としたということを知らない人の方が今でも多数派なんじゃないでしょうか。

ついでにいうと、岡野玲子さんの「陰陽師」の各巻の表題が六壬で使う「天将」の名前となっていることを知っている人がどれくらいいるのだろう?

この六壬という術は占いの依頼を受けた時刻を使って、自分と相手の関係や物事の推移をみるのに非常に適した術です。ものすごく便利な術なのですが、占いを売りにしている晴明神社の関係者で六壬を使っている人がどれくらいいらっしゃるのでしょうね。

※私ごときが「晴明と同じく」というとムッとする方もいらっしゃるでしょうから補足しておきますと、私の使う六壬は近代六壬で晴明が使っていた六壬とは少し異なっています。


トークショーのための対話をどのように書く

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2000/11/07

小渕恵三前首相が脳死となり、密室の取引とでもいうべきものの結果として森喜朗首相が誕生したわけですが、少し調べてみるとこの御二人の誕生日はわりと近いということがわかります。

御二人の経歴とか、生年月日を干支に直したものを表にしてみました。(参照用なので別ウィンドウで開きます。)経歴を書いた表にある「大運」の項目は、10年間を支配する干支、歳運の項目は1年間を支配する干支です。(少し込み入った話をしておきますと、大運の立運は1捨2入の立春切りで計算して、虚歳を使っていますから、普通の計算と比べて大運の切り替わりが早くなっていると思います。)

小渕さんは1937年6月25日生まれ、森さんは1937年7月14日生まれと、同年の生まれでほぼ1月違いの生まれです。森さんは土用に入る前に生まれたので、生まれ月の節気蔵干は小渕さんも森さんも丁ということになります。

御二人の場合、小渕さんは年干が丁、月干が丙、森さんは、年干月干とも丁ということで節気蔵干や同じ五行が干に現れています。(四柱推命の用語では透干するといいます。)

奇しくも生まれた日の干は、小渕さんが癸、森さんが壬とどちらも水の日の生まれですから、御二人とも四柱推命でいうところの財帛を用神とするところも同じということになります。(これは今の日本では火行の財帛が成功へのカギということを現しているのかもしれません。)

生まれた時刻がわかりませんので、ここからは多分に推測が入ってきますが、小渕さんの経歴を見ると、副の付かない「長」の役職とか要職についた年の干支(歳運)が、丙辰、己未、壬戌、丙寅、丁卯、辛未、壬申、丁丑、戊寅、と壬申を除いて火行が関係していることがわかります。特に干支とも火行に関連した、丙寅年は「衆議院予算委員長、田中派常任幹事」、戊寅年は、「第18代自民党総裁に選ばれる」という大発展を遂げています。(戊は日干と干合して火に変わります。)

この結果から、小渕さんは四柱推命でいうところの従財格であろうと推測できます。そしてそうなるためには、時支が丑か寅、午であろうと推測できます。私の感触としては甲寅刻生まれではないかというところですが。

ともあれ亡くなった今年はというと、大運干の庚は火行を分けるので凶、子も月−日の合を解いて火根が増えるものの子自体は水根ですから、本来は休養して知識を蓄えるなりする方が長生きには良かったと思います。首相になって寿命を縮めた感がありますね。丁の仮炉である己の年が終わって、これから運は下降するだろうなと思っていたところ、いきなり倒れたと聞いて驚きました。庚辰年に倒れて、森首相が誕生したのが庚月に入ってすぐというのが印象的でした。

それでその森首相ですが、早稲田に入学したのも束の間、胃カタルでラグビーを挫折してしまったのが乙巳の大運で丙申の年です。小渕さんが26歳で初当選でしたが、森さんは32歳です。若いといえば若いですが青年とは言いがたい歳になっての初当選ですので、どうも森さんは火行を忌む感じがします。

そういう観点から見ると森さんの場合、大運が北方水運に入ってから本格的に運が開けてきた感じですね。庚子運に入ったのが1998年ですから、まだかなり残っています。どうも庚辰の間はそう簡単にはバンザイしそうもないですね。ただ来年は辛巳の歳で巳は火根ですから、来年中には交代ではないでしょうか。そうでなくても再来年の壬午を越えることはできないと思います。

丁の財を忌む森首相ですから、これからも失言で話題を提供してくれるでしょう。


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2001/02/13

以前、高島正龍師の著作を読む機会があって、風水でいうところの三元九運を使って、大きいところでは世界情勢、小さいところでは地域情勢を占う方法に出会って面白いなと思ったことがあります。

三元九運の三元というのは上元、中元、下元のことで、時間単位として年をとると、甲子から始まって干支のつきる癸亥までの60年が各元で表される期間となります。三元合わせると180年間ということになります。

この180年間に均等に一白から九紫までの九星を割り振ることにすると、一つの九星が20年間を支配することになり、これを運といいます。180年が元にして3、運にして9あることから三元九運というわけです。180年分の九星と干支を出してみると下の表になります。

干支九星
甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉、
甲戌、乙亥、丙子、丁丑、戊寅、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未
上元 一運 一白
甲申、乙酉、丙戌、丁亥、戊子、己丑、庚寅、辛卯、壬辰、癸巳、
甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、己亥、庚子、辛丑、壬寅、癸卯
二運 二黒
甲辰、乙巳、丙午、丁未、戊申、己酉、庚戌、辛亥、壬子、癸丑、
甲寅、乙卯、丙辰、丁巳、戊午、己未、庚申、辛酉、壬戌、癸亥
三運 三碧
甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉、
甲戌、乙亥、丙子、丁丑、戊寅、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未
中元 四運 四緑
甲申、乙酉、丙戌、丁亥、戊子、己丑、庚寅、辛卯、壬辰、癸巳、
甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、己亥、庚子、辛丑、壬寅、癸卯
五運 五黄
甲辰、乙巳、丙午、丁未、戊申、己酉、庚戌、辛亥、壬子、癸丑、
甲寅、乙卯、丙辰、丁巳、戊午、己未、庚申、辛酉、壬戌、癸亥
六運 六白
甲子、乙丑、丙寅、丁卯、戊辰、己巳、庚午、辛未、壬申、癸酉、
甲戌、乙亥、丙子、丁丑、戊寅、己卯、庚辰、辛巳、壬午、癸未
下元 七運 七赤
甲申、乙酉、丙戌、丁亥、戊子、己丑、庚寅、辛卯、壬辰、癸巳、
甲午、乙未、丙申、丁酉、戊戌、己亥、庚子、辛丑、壬寅、癸卯
八運 八白
甲辰、乙巳、丙午、丁未、戊申、己酉、庚戌、辛亥、壬子、癸丑、
甲寅、乙卯、丙辰、丁巳、戊午、己未、庚申、辛酉、壬戌、癸亥
九運 九紫

さて、今年は辛巳年で下元ですから下元七運の終わりの方ということになります。世界の動きを占うとき北極を中心にした九星盤を作るのですが、日本は九星盤の震方(東)に配置されます。下元七運は七赤なので震方には腐敗の五黄がきます。この下元七運は1984年の甲子年から始まっていて、バブルの期間は丸々下元七運に含まれているわけで、腐敗の五黄に対応していると考えられます。

前回の下元七運はというと1804年からの20年間で文化文政のかなりの期間が下元七運に相当し、江戸文化が爛熟を迎えて幕藩体制が抱える自己矛盾が誰の目にも見えてくる時期と重なるわけです。

2004年甲申からの20年間は、下元八運八白となり世界的にもパラダイムの転換が進む時期となるでしょう。この20年で次の上元一運の準備が完了するでしょう。パラダイムの転換を行うことができなかった人、組織は次の上元一運を迎えることなく滅びることになります。

下元八運は日本である震方に六白が回座しますので、新しい動きを押さえ込もうとする上からの動きが目につくことになるでしょう。おそらくは宮崎学さんのいう白いファシズムが日本を覆うと予想できます。前回の下元八運の期間は、蛮社の獄で知られる蘭学への弾圧があり、水野忠邦による天保の改革があった時期です。なお維新後に元勲と呼ばれる人達はほとんどがこの下元八運の生まれです。

2024年からの20年間である下元九運は古い体制と次にくる新しい体制の抗争の時期となると考えられます。前回の下元九運はまさに幕末です。元号が明治に改元されたのは上元一運を迎えて4年目でした。これからの40年は実に刺激的な時期となるでしょう。世界の動きに振り回されるのではなく、できたら激動の時代を楽しみたいものです。

さて今年に話をもどすと、今年の九星は八白で次の下元八運の九星である八白と同じです。高島正龍師の直弟子である今井雅晴さんが、「風水しようよ/新世紀2001年を占う」で語ってらっしゃるように今年は下元八運のひな型の年となるでしょう。


ピーターたちは魔法のドラゴンパフた

すでに自民党は内部で蛮社の獄のようなことをやっていて、執行部に楯突くものは一切許さないという雰囲気です。2004年以降はこれが日本全体に拡大されることになるでしょう。平成の鳥居耀蔵とか出現するのでしょうか。今年は次の上元一運に主流となるものの種の幾つかが芽吹いて、見える人は上元一運の世界をかいま見ることになると思います。


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2001/07/15

占いと関わっていますと、当てた外したという話からはどうしても逃れることができません。占いの有効性を統計的に検証するといった話も時々聞くことがあります。しかし、占いが当たるということについてあまり突っ込んだ考察がないような気がします。

実は占いがよく当たるという言い方からは2つの意味を導き出すことができます。1つは、占った結果の中で外しているものが少ない、もう1つは占った結果で当たっている事が多いです。言葉でいうとあまり差が見られませんが図にすると分かり易くなります。

図の青と水色の部分が、占って当てるべき現実、図の緑と水色の部分が占いの結果をそれぞれ表しています。占って当てるべき現実と占った結果の共通する部分が水色の部分というわけです。この図から占いの結果がどれくらい当たっているかを示す2つの尺度を考えることができます。1つは当てるべき現実の事柄の中で当たったものはどれくらいあったかを表す尺度で"再現率"と呼ばれる尺度です。もう1つは占った結果の中で当たったものがどれくらいあったかを表す尺度で"適合率"と呼ばれる尺度です。

正しい意味で良く当たる占いは、この再現率と適合率の両方が高くなければならないわけです。こんなところで引き合いに出すのは気が引けるのですが、先代の銭天牛先生は阪神−淡路震災の時期を当てたことで有名ですが、他にも地震を占って多く外しています。つまりここでの用語を使うと銭先生の地震の占いは再現率は高いものであったが、適合率は低いものであったということができます。

占いの当り外れを統計的に検証する場合には、再現率と適合率の両方を評価していく必要があります。通常、再現率と適合率は異なる値を示し、一方が高くなると他方が低くなる傾向があります。

ここで、占いの研究の進め方として2つの戦略を考えることができます。1つは、何でもいいからバンバン答えを出すような術として行くことで再現率を高くする。この場合適合率には目をつぶるが、再現率が高くなったところで占いの技法を絞って適合率を高めていく。つまり再現率→適合率の戦略です。もう1つは占いに使用する技法を絞って占った結果を外さないようにしていく。このとき答えが占いの対象をカバーしきれていない、つまり再現率が低くても気にしないが、適合率が高くなったところで技法を拡張していって再現率を高める。つまり適合率→再現率の戦略です。

私見ですが四柱推命やそれに近いところの占術で、再現率→適合率の代表が高尾算命に始まる日本でいうところの算命、適合率→再現率の代表が透派子平ではないかと考えています。ここで、再現率→適合率と適合率→再現率の両方の戦略を併用すると効果的な占いができる可能性が見えてきます。つまり、適合率→再現率型の術を使って再現率→適合率型の術における技法の絞り込みを行なうわけです。

おまけですが易を初めて習うときに、Yes-Noで答えられるように質問というか問いかけを絞って占いなさいということがよくいわれます。これは自分の占いの技量を再現率と適合率の両方から評価することが簡単だからということが背景にあるのではないかと考えられます。

つまり当てるべき現実もYes-Noの集合であり、占った結果も当然Yes-Noの集合ですから、当った場合というのは、Yesであるべき答えをYesと答えて当てたか、Noであるべき答えをNoと答えて当てたかのどちらかなので、再現率と適合率が同じ値をしめします。ですから自分の技量をかなり客観的に見ること自然とできるわけです。占いのトレーニングには良い方法といえるでしょう。


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2001/11/05

当てた外したという話の続きです。私の貴重な友人で当サイトの紫微斗数にドキュメントを提供して下さった椎羅さんは国内屈指の紫微斗数の研究家ですが、その椎羅さんの名言の一つに「占いはSCIENCEではなくARTである」というのがあります。

この言葉の私なりの解釈は「占いには人間というフィルタがどうしても必要である」となります。(ではお前はどうして自動占いなんか作っているのだ?という疑問が当然出てくると思いますが、それへの回答はもう少し待って下さい。)

命占であれ、卜占であれ、何かの機械的な操作を行なう(生年月日時から星を出す、通変を出す、筮竹をくる、サイコロをふる、クライアントと出会った時刻から六壬の四課三伝を出す。)ことで何らかの象徴を出し、吉凶を断じて事象を読み取るという占いの本質の部分は同じです。この機械的な操作の部分は機械(プログラムでもよいです)で代行可能ですが、得られた象徴から吉凶を断じて事象を読み取るところは今のところ機械では無理と言っていいでしょう。

例えば四柱推命で出てくる食神という通変は、自ら生み出すものという基本的な象意から、

  • 女性にとっての子供
  • 絵画・彫刻等の作品
  • 成果物

等の象意があり、また偏官七殺にとっての七殺であるということから除災という基本的な象意があって、そこから、

  • 厄除け
  • 医療・医師
  • 宗教

等の象意を導き出すことができます。そして、これらから派生する象意もまた食神の象意となります。これらの多様な象意からどのような場合にどの象意をとるかという規則はまだ見つかっていません。(私は多分見つからないと考えています。)これらの多様な象意から適切なものを選ぶためには今のところどうしても人間というフィルターを通す必要があるわけです。そして人間が介在するが故に占いはARTなのです。

そして適切な象意を人間というフィルターがとらえれば当たる占いとなるし、不適切な象意をとらえると外すことになるわけです。

ところでこの人間というフィルターは、占い師とクライアントと2重になっています。そのために、どちらかのフィルターが適切でないとトンチンカンな占いをしてしまうことになります。自動占いは最終的な判断をクライアント側にゆだねることで、占い師側のフィルターを常に一定の水準に保つことができます。つまり自動占いは占いの品質を一定に保った占いを提供することができるわけです。もっとも受け手であるクライアントにとってはすごく当たることもあればまるっきり外すこともあるでしょうが、幸いなことに椎羅さんの良質なドキュメントを得てアンケートではかなり好評を頂いてます。

当サイトの紫微斗数は紫微斗数という占いのある種の標準を提供できているのではないかと自負しております。


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2001/12/02

12月1日14:43(JST)に皇太子殿下の初のお子様として内親王が誕生されました。おめでとうございます。

出生時刻から新宮の紫微斗数命盤を出してみました。

天機 平  

   天馬 

紫微 廟  
鈴星 廟  
天魁    
   耗 刑

   地劫 

破軍 地
陀羅 陥  
癸巳福徳宮 甲午田宅宮 乙未官禄宮 丙申奴僕宮
七殺 廟  

     喜

 辛巳年十月十七日申刻

  女命
  木三局


禄存 廟  
壬辰父母宮 丁酉遷移宮
太陽 廟(権)
天梁 廟  
   天空 
廉貞 利  
天府 廟  
敬羊 廟  
   鸞 姚
辛卯命 宮 戊戌疾厄宮
武曲 地  
天相 廟  
文昌 陥(忌)
天鉞    
天同 不  
巨門 不(禄)
左補    
右弼    
貪狼 旺  
文曲 地(科)
太陰 廟  
火星 利  
庚寅兄弟宮 辛丑夫妻宮 庚子子女宮 己亥財帛宮

新宮命盤


新宮の命宮に太陽、天梁と入ってどちらも廟で化権があります。新宮の人となりを推測しますと、人と会うのがなによりお好きで、そのためならどこにでもでかけられるといった感じでしょうか。

公平で判断力に優れた方で、どちらかというと男性的にみえます。周囲からは男の子であればな、といわれながら成長されるのではないでしょうか。成長されると気っ風のいいお姉さんという感じになられるだろうと推測いたします。ひょっとすると下元九運に活躍し、次の上元一運に入っては元勲と呼ばれるような人達のパトロンとして名を後世に残されるかもしれません。

さて私が注目したのは紫微、鈴星が入ってどちらも廟でしかも天魁のある田宅宮です。田宅宮は第一義としては不動産ですが、家庭、両親から受け継ぐものみることもできます。つまり帝星である紫微を受け継ぐと読むことができるわけです。従って皇室典範が変更されて登極される可能性が充分あるというのが田宅宮をみての私の判断です。

なお蛇足ですが、新宮は大変優れた資質をお持ちなのですが、巡ってくる運勢は困難な運勢が多く周囲との軋轢も何かとお有りのように見受けられます。ただ兄弟宮に吉星が多く、たとえ実の御兄弟がいらっしゃらなくても生涯を通じて頼りになる人が現れることでしょう。その方と二人三脚で進まれると困難を切り開いていくことができると思います。


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2002/02/25

2002/03/16 訂正

※おことわり

最初におことわりしておきますが、私は鈴木宗男氏についてはかなり悪意を持っています。

ロスケ船頭からのカスリを政治資金(中川一郎の政治資金ではあっただろうけれども)として集め、そのことをネタにして政治の師である中川一郎を脅して代議士として立候補することを認めさせ、中川一郎の自死の原因の一つとなった人物、というのが私の鈴木宗男氏についての認識です。

なお、上記については御本人から抗議のあった場合には何らかの処置(多分、削除)することをお約束しておきます。私が鈴木宗男氏について上記のような認識を持っていることを念頭に以下をお読み下さい。

鈴木宗男氏は昭和23年1月31日に北海道の足寄に生まれています。月末であり、生日は乙卯と六十干支の最後の十干支の一つとなっており八専日の一つです。このことから私の第一印象は「最後の男」です。あまり長くないので生年月日の干支と経歴等を以下にあげておきます。

年柱丁亥
月柱癸丑(己)
日柱乙卯
大運西暦歳運吉事等
癸丑1948戊子1月31日(丁亥年)北海道足寄に生まれる。
庚戌1977丁巳農林水産大臣秘書官
庚戌1980庚申科学技術庁長官秘書官
庚戌1983癸亥中川一郎死去(1月)、初当選(12月)
己酉1989己巳防衛政務次官
己酉1990庚午外務政務次官
己酉1992壬申党副幹事長
己酉1993癸酉防衛政務次官、党国防部会長
己酉1994甲戌衆院沖縄・北方特別委員長
己酉1995乙亥党副幹事長
戊申1996丙子党副幹事長再任
戊申1997丁丑国務大臣北海道開発庁長官、沖縄開発庁長官(9月)
戊申1998戊寅内閣官房副長官(7月)
戊申1999己卯党総務局長(11月)
戊申2001辛巳外務省騒動(2002年1月末〜)
戊申2002壬午逃げきるか?

さて私が「最後の男」と鈴木宗男氏についての印象を持っていると先に書きましたが、何について最後かというと日本という国が腐敗していくことの象徴として最後となるだろうという印象を持っているわけです。

言い換えると、鈴木宗男氏が代議士として失脚するとかするまで日本という国は腐敗を続けていくだろうということになります。それは2003年までにくるでしょう。つまり下元七運が尽きるまでには、目に見える腐敗のネタが尽きる日がやってくるというのが私の占いからの予想です。

鈴木宗男氏は1983年の12月の選挙で初当選していますが、1983年は癸亥年でありまさに六十干支の尽きる年に初当選しています。このとき鈴木氏の10年間を支配する大運は庚戌でした。

鈴木氏はいわゆる二世議員ではなく、徒手空拳の政治家として出発しています。年−月に食印交差があり、その前半生は貧乏であったと予想できます。偏印が透干しているため棄命従格ではないので、身強であれば月柱の癸印を忌み身弱であれば印を喜ぶと考えられます。鈴木氏が政治家として地盤を築いたのは庚戌、己酉、戊申といった西方運間で金行の根を喜ぶとすると時干に金行が透干していてしかも身強という条件となります。

この条件を満たすのは庚辰時くらいです。辰は木根であり日干は根を3つ持つことになる上に、庚は金行であるも辰時であれば金行に根がなく、乙を尅することができません。しかも正官であり、人生の後半になって公的な仕事に付くことをしめしています。

なお大運の己、戊は財帛にあたり身強なので忌む印を尅して喜神となりますが、本来の四柱八字では財帛を月支に蔵して当令しているものの透っておらず、食印交差もあって本来は財産とは縁が薄いと考えられます。しかし財帛が透った大運期間中はかなりの利権をつかんだもしくはつかむのではないでしょうか。

さて本題の外務省騒動を発端とする鈴木氏への追求から鈴木氏が逃げきることができるかどうかですが、2002年の歳運は壬午で年柱の喜食神の丁と干合して無作用化してしまう年となっています。食神はその名のとおり食禄の象意を持っています。それが無作用化されるのですから逃げきれないのではないでしょうか。

ただし2005年まで大運は戊申なので、今年2002年に議員を辞職したとしても2003〜2005年の間に選挙があれば充分に復活のチャンスがあるでしょう。そして復活したときはもっと巧妙になっていると思います。


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2002/09/14

安部晴明を始めとする陰陽師は伝説の中ではまさにスーパーマンですが、その実態はというと中級の貴族でした。貴族は基本的には国家公務員ですから、陰陽師は特殊な技能で国家に奉仕する中級の公務員というわけです。

晴明は「占事略决」という書を残していますが、これは内容からみると六壬神課(りくじんしんか)という占術を解説したものとなっています。この術は何か占うべき事態が発生したときに、その時刻から四課三伝というものを出して、依頼者と発生した事態の関係や事態の推移を占う術で、晴明以降は安部家の家伝として伝えられていきます。

この術はまた射覆(せきふ)と呼ばれる当て物にも強く、実際に箱に隠された品物を当てたという話が藤原定家の日記である「名月記」に残っています。当てたのは晴明の子孫の晴光で、この時に隠された品物は亀をかたどった硯だったそうですが、亀型というところまで当てたそうです。私は晴明も藤原道長に呼ばれて射覆の腕前を披露していたのではないかと想像しています。

残念ながら晴明の六壬神課は現代には伝わっておらず、昭和初期?に阿部泰山によって再度輸入されて少しづつ知られていくようになります。岡野玲子さんの「陰陽師」の単行本の各巻の題名は六壬で使用する十二天将の名前(しかも晴明の時代の名前)が使われていて、岡野さんは執筆に当たって相当の調査をされたのではないかと思います。



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